TeXShop を使うには、備え付けの編集ウインドウに LaTeX のソースコードを打ち込みます。そしてウインドウ上部にある「タイプセット」ボタンを押します。入力したものが保存され、pdflatex が実行されます。もうひとつウインドウが開き、TeX からのメッセージを表示します。もしエラーがあれば pdflatex は止まります ; エラーをひとつずつスキップするには「リターン」をタイプしますが、終了させたり、実行を継続させたり、などといったことをするために、TeX の命令を打ち込むこともできます。文書がタイプセットされると、出力結果の pdf ファイルを表示する新しいウインドウが開きます。2つのウインドウは command + 1 で切り替えることができます。

pdf の出力結果の画面でマウスをプレスするとカーソルの付近一帯が拡大されます。ダブルクリックするとより広い範囲が拡大されます ; トリプルクリックではさらに広い範囲が拡大されます。ページ上部のツールバーのボタンでデフォルトの(プレスしたときの)拡大範囲サイズを選択することができます。

TeX 文書のタイプセットを行なうには、LaTeX と表示されているボタンを押して LaTeX の代わりに TeX を選択します。もし普段から TeX を用いるのであれば、環境設定ダイアログでデフォルトのプログラムを TeX にしてください。

エラーに気付いた場合、すぐに編集ウインドウでエラーを修正し、再度「タイプセット」ボタンを押すことができます──動いている pdflatex を止める必要はありません。プログラムは初めのものを中断して次を実行し始めます。

TeXShop は初めの20個のエラーのソース行をおぼえています。ソースファイルでこれらの行を繰り返し表示させるには、編集メニューから「エラー箇所へ移動」を選択するか、このメニューアイテムのショートカットキーをタイプします。

エラーを直して再度タイプセットを行なった場合も、ビューワはそれまで見ていたページをおぼえています。

もしソース行が「 %: 」という文字列で始まっていると、TeXShop はその行にある単語あるいは文を「タグ」として解釈し、プルダウンメニュー「タグ」に追加します。プルダウンメニューでタグ項目を選択すれば、ソースファイル内の該当する行へとスクロールします。また \section ・ \subsection ・ \subsubsection あるいは \chapter で始まる行も自動でタグメニューに追加されます。が、この動作は、Apple の Terminal プログラムで次のコマンドをタイプして変更することができます:

defaults write TeXShop TagSections NO

TeXShop は複数の文書を表示させることができます。「新規」ないしは「開く...」を選択すると、もともとの文書はそのままにして、新しい文書用に追加のウインドウが開きます。フォルダ内に同じ名前の pdf ファイルがある TeX ファイルを開けば、pdf も表示されます。

ソースを複数のファイルに分割し、\input コマンドを使ってマスターファイルで管理するのを好むユーザもいます。TeXShop は常にタイプセット前にはソースファイルを保存します。環境設定で「ファイル保存時に関連ファイルも保存する」の項目がチェックされていれば、タイプセット前にマスターファイルを探し、TeXShop で開くどの入力ファイルについても同じように保存されます。この機能は John Nairn のおかげです。

拡張子が「.tex」の文書をダブルクリックすることで TeXShop を立ち上げることができます。プログラムはその入力文書と(もしそれが存在すれば)関連する pdf 文書とを開きます。

pdf ウインドウはいつでも閉じることができます。文書を再度タイプセットすれば改めて表示されます。入力ウインドウを閉じた場合には、入力・出力の両方のウインドウが閉じられます(他の TeX 文書のウインドウは開いたままです)。なので、もしソース入力のウインドウが画面上に散乱しているのであれば、閉じずに隠しておきます。

pdftex と pdflatex は Knuth の TeX プログラムから派生した UNIX プログラムです。TeX の構文はファイル名でのスペースを容認しません──なのでTeXShop で作成するソースファイルもスペースなしで命名します。TeXShop 自体はファイル名にスペースがあっても問題はありません。

プレビューウインドウの挙動は「プレビュー」メニューの「ズーム倍率」と「ページレイアウト」項目で変更できます。たとえば、スクロール方法を調整して、文章のすべてのページをスクロールさせるようにできます ; プレビューウインドウは見開き2ページを同時に表示できます ; ウインドウをリサイズすることで拡大表示の倍率を変更させられます。気に入る表示方式が見つかるまで試してみてから、その方式を環境設定で選択し固定させてください。

テキスト部分を拡大するには、 プレビューウインドウのツールバーにある拡大ツールを使います。 マウスをプレスする前にダブルクリックもしくはトリプルクリックすることで、 より広い範囲を拡大することができます。 拡大中にコマンドキー、オプションキー、コントロールキーないしはシフトキーを押すことで、 拡大された部分をいろいろと変化させることができます。

プレビューウインドウの一部分を選択して、デスクトップや他のプログラムのウインドウにドラッグするには、pdf 選択ツールを使います。選択部分はコピーして他の文書にペーストすることもできます。デフォルトでは、この選択部分には前面のテキストのみが pdf 形式で含まれています。これはたとえば、テキストを Keynote にドラッグするときに便利です; スライドの背景がテキストの背面に表示されますし、ベクトルデータなのでテキストをリサイズしても綺麗に見えます。

テキスト選択ツールを用いると、プレビューウインドウ内のテキストを選択することができます。このテキストはコピーしてワープロにペーストすることができます。プレビューにリンクが含まれている場合、テキスト選択ツールでクリックすればリンクが作動します。元のページに戻るには、“戻る/進む”コマンドを使います。プレビューウインドウのドロワー内で検索コマンドを使えば、pdf 文書内のテキストを検索できます。

ソースウインドウとプレビューウインドウ間を行き来するには、⌘キーを押しながら語句をクリックします。ソースウインドウ内の語句をクリックした場合は、プレビューウインドウの方がしかるべき位置までスクロールし、組版済みの語句に赤で丸印を付けます。プレビューウインドウ内の語句をクリックしたのであれば、ソースウインドウを開き(まだ開かれていなければですが)、適切な位置までスクロールした上で、ソース中の語句を黄色でハイライト表示します。

基本的なヘルプ
ドキュメントをタイプセットする